数年前のことになりますが、四輪駆動のトラックをいじっている時に、誤ってGMTマスター(と手首)の上にスパナを落としてしまいました。手首は腕時計に守られ、少し打ち身ができただけで大事には至りませんでしたが、時計のクリスタルは強い一撃を受けて割れてしまいました。
その後、気付いたのですが割れたクリスタルの内側に結露の現象が見られました。事故の後、雨の中を外に出ていたからです。高級時計にとって湿気は一番よくないとわかっていましたが、ケースを開けて乾かすこともできない…、私は動揺していました。
その夜、夕食を取りながら、腕時計を温かいところにおけば湿気が取れるのではないかと思いました。そこで私はオーブンのパイ皿の上に腕時計を置くことを思いつきました。ここならガスの点火ライトが腕時計を温めてくれるだろうと考えたのです。そして就寝しました。
翌朝、私の腕時計が夜の間にこんがりと焼きあげられたことに気づきました。オーブンに腕時計を入れたことを寝る前に妻に言うのをすっかり忘れていたのです。
妻はその時、コンピュータのプロジェクトで夜遅くまで働いていました。そして空腹を感じ、オーブンの上についていたグリルで何かを焼こうと決めたのですが、オーブンを開けることはしなかったようです。
言うまでもないことですが、高温(おそらく260℃くらいまで上がっていたと思われます)によって湿気は完全に飛んでいました!しかし、クリスタルとベゼルはケースから弾き飛ばされていました。夜光ダイアルは茶色に焦げて…、しかし腕時計は動いていたのです!
ロレックスの修理店のウォッチメーカーは、この不運な出来事に驚いていました。私はこの店のオーナーとスタッフの間で知られた存在となりました(この状況が極めてユーモラスで特異だったからだと思いますが)。クリーニング、注油、調整、そしてクリスタルの交換の後、GMTマスターは私の手首に、そして再び日常に戻りました。ダイアルは交換しませんでしたが、夜光の部分も再び白く光るようになりました。
米国海軍中佐、J.J. アダムス、カリフォルニア